スターの人生 スターの半生
有名人の人生・半生をピックアップ。その人生はどんなものだったのかをご紹介します。
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村上春樹
村上春樹が生まれたのは1949年の京都市、
物心がつく前には兵庫県西宮市に引っ越し、
以後少年時代を阪神地区で過ごすことになります。
父も母も国語の教師で、
食卓の話題が「枕草子」や「平家物語」という教育熱心な家庭でした。

そんな両親の教育方針からか、
子供の頃の村上は、本を好きなだけ読むことができました。
毎月「世界文学全集」や「世界の歴史」を配達してもらったり、
近所の本屋さんではツケで本を買うことができる環境。
当然のように読書少年として成長することになります。

しかし、両親が日本文学のことばかり話すのにうんざりしていたこともあって、
村上が選んぶ本は、海外小説ばかり。
中学時代にはトルストイやドフトエススキーなど、
ロシアの文学に強く惹かれる早熟な少年でした。
英語にも大変興味があり英会話を勉強することを勧めています

中学時代の村上が熱中したものがもうひとつあります。
それは、ジャズ。
元々外国のポップスを好んで聞いていた村上、
中学3年生のときに、
神戸で「アートブレーキーとジャズ・メッセンジャーズ」を聞いた瞬間、
大きな衝撃を受け、それ以来ジャズの虜となってしまったのです。
以降、昼食を抜いてはレコードを買いあさる日々が始まったのです。

子供の頃から海外小説に親しみ、
中学時代にはジャズに目覚めた村上春樹。
大学は一浪した後に早稲田大学の文学部に入学、
生まれて初めて関西を離れ、東京で一人暮らしを始めました。

ところが、村上はほとんど大学に行かず、
夜の新宿でバイトをしながら、
映画を見ては、歌舞伎町のジャズ喫茶に入り浸る生活を送り始めます。

そして、そんな決してまじめとは言いがたい大学生活の中、
村上は大きな出会いを果たします。
それが、後に妻となる高橋陽子。
たまたま授業で隣り合わせたことをきっかけに交際スタートとなった二人。
大学3年のときには、一緒に住むようになり、
「潔くない」と同棲を嫌った村上は、早々と結婚を決意。
学生結婚で彼女の実家に居候するようになったのです。

しかし、所帯を持ったからには、いつまでも居候をする訳にもいかないと、
就職活動らしきものもしましたが、
どうしても会社に属して働くことになじめません。

そこで、「自分の手で材料を選び、物をつくって、客に提供できる仕事」がしたいと、
夫婦で必死に働いて2年間で250万円の貯金。
さらに銀行から250万円を借金して、ジャズ喫茶を開店します。

学生時代にジャズ喫茶を始めた村上春樹。
昼はコーヒーを出し、夜はバー、週末には生演奏が聴ける店として、
まずまずの成功を収めます。

とはいえ、その生活はハードで、
朝早くから真夜中まで店にかかりっきりの日々。
採算が取れるようになり、一息つけるまでに20代をほとんどついやしました。

そして、30代を目前にした1978年、4月1日の午後1時半頃、
村上自身、それまで予想もしなかった新しい道への一歩を踏み出すことになります。

それは、神宮球場の外野席でひとりビールを飲みながら
スワローズ対カープの試合を眺めていたときのこと。
1回の裏、先頭バッターが2塁打を放った瞬間に
「そうだ、小説を書いてみよう」という想いが、
空から舞い降りるように、村上の頭に浮かんだのでした。

それまで小説を書いたこともなく、
具体的なイメージもない中での思いつき。
とりあえず、原稿用紙と万年筆を購入し、
ジャズ喫茶の仕事の合間を縫って小説を書き始めます。
そして4ヶ月後、原稿用紙200枚程度の小説を完成。
そのまま勢いに任せて文芸誌の新人賞に応募します。

こうしてぶっつけ本番のように書き上げた処女小説が「風の歌を聴け」。
この作品は、第22回群像新人文学賞を受賞。
その後単行本となり、あっという間に
村上の作家としてデビューが決まったのでした。

村上春樹29歳、後の人気作家のやや遅めのスタートでした。
29歳で小説家としてデビューした村上春樹。
アメリカ文学から影響を受けた文体で注目を集め、
デビュー作「風の歌を聴け」と2作目「1973年のピンボール」、
2作続けて芥川賞候補に挙がるなど、すばらしいスタートを切ります。

しかし、この2作品は村上にとってあくまで「書くことを楽しむ為に書いた」作品。
忙しいジャズ喫茶の経営の合間を縫って書き上げたものでした。
「深い内容の、奥行きのある作品をつくりたい」。
次第にそんな想いが村上の心にわき上がってきます。

そこで、村上は軌道に乗っていたジャズ喫茶を人に譲り、
小説家に専念することを決意します。
こうして逃げ道を断つ様にして書き上げた作品が、「羊をめぐる冒険」。
この作品で村上は第4回野間文芸新人賞を受賞。
自身の小説作りに確かな手応えを感じ取りました。

そして、そんな村上の名を一気に広めた作品こそ
現在、上下巻合わせて1000万部以上の発行部数を誇る
日本屈指の人気小説、「ノルウェイの森」です。
この作品で村上は一躍、国民的作家となります。

その人気は日本だけにとどまりません。
彼の作品は様々な国の言葉に翻訳され、世界各国で愛され、
2006年にはフランツ・カフカ賞やフランク・オコナー賞という
国際的な文学賞を続けて受賞。
特にカフカ賞はノーベル文学賞の前哨戦とも呼ばれる文学賞だった為、
村上は、現在「最もノーベル賞に近い日本人作家」と呼ばれるようになりました。
今や「世界のムラカミハルキ」となり、「1Q84」の大ヒットで「1Q84現象」とも言うべき社会現象を巻き起こしました


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